ピット型窒化炉

ピット型窒化炉とは、金属部品の表面硬化処理を行うための装置の一つで、窒素ガス中で加熱することで、窒化処理を施すことができる炉のことです。
内部が凹形状になっており、その中に金属部品を配置して、窒素ガスを導入し加熱します。ピット型窒化炉は、真空炉と比べ低コストで、大型の金属部品や多品種少量生産に適しています。

一般的な窒化炉と比較して、ピット型窒化炉は、金属部品を凹型の窯に入れるため、内部空間が狭く、部品の隙間も少ないため、窒素ガスの循環がしにくくなってしまうため、窒化処理が均一に行われない可能性があるというデメリットがあります。また、凹型の窯内で部品が転がることによって、表面上に凹凸や傷が付いてしまう場合があるため、製品の品質について注意が必要です。
一方、ピット型窒化炉は、大型の金属部品の窒化処理にも適しているため、飛行機エンジンのタービンブレードやオイル掘削用のアルミ合金機器など、大型部品の表面硬化処理に広く用いられています。