浸炭焼入れとは
- 浸炭処理
- ダイレクト浸炭
2024/03/26
浸炭焼入れの原理
浸炭焼入れは、鋼材の表面に炭素を浸透させて表面を硬化させる熱処理方法です。鋼材は炭素量が多いほど固くなりますが、多すぎると加工が難しくなります。そこで低炭素鋼に炭素を浸透させることで低炭素鋼に炭素を浸透させることで、表面は硬く、内部は靭性に富んだ鋼材を作ることができます。
浸炭焼入れは、主に3つの方法でおこなわれます。
●固体浸炭:木炭や活性炭などの固体炭素材を鋼材と一緒に炉に入れて加熱します。
●液体浸炭:炭素を含む溶融塩に鋼材を浸漬して加熱します。
●ガス浸炭:炭素を含むガスを炉内に送り込み、鋼材を加熱します。
浸炭焼入れの工程
浸炭焼入れは下記の工程で行われます。
1,浸炭 :鋼材を炭素源と一緒に加熱し、表面に炭素を浸透させます。
2,焼入れ :浸炭された鋼材を高温に加熱し、急冷します。
3,洗浄 :油での焼入れをしているため、焼き戻しの前に洗浄が必要です。
4,焼き戻し:焼入れ後の鋼材を低温に再加熱し、硬さを調整します。
浸炭焼入れの材質
浸炭焼入れは、炭素含有量が比較的低い鋼材に使用します。表面硬化を目的としており、炭素が拡散しやすい材質が適しています。下記がその例になります。
●低炭素鋼:S15C、S20Cなど
●合金鋼 :SCM415、SCM420など
浸炭焼入れの深さ
浸炭焼入れの深さとは、炭素が対象に侵入している所までの距離を表します。浸炭焼入れの深さは、浸炭方法や時間、温度などの条件によって変わります。一般的には、0.2mmから3mm程度です。また、時間を掛ければ、更に深くすることは可能です。
浸炭焼入れの事例
「熱処理技術ナビ」による浸炭焼入れの事例をご紹介します。
ステンレス素材への浸炭処理
こちらは、自動車のターボチャージャーに使用されるステンレス系材質に浸炭処理を施した事例になります。 ターボチャージャはエンジンからの排気ガスをタービンで利用し、同軸上のコンプレッサを駆動してエンジンに高圧空気を過給する装置です。タービン側に可変ノズルベーン機構が搭載されており、エンジン条件に合わせノズル開度を調整することで過給圧を最適条件にコントロールします。 ターボハウジング内の部品は耐摩耗、振動による破損強化、熱変形対策、低歪などが強く要求されており、この可変ノズルを構成するステンレスや耐熱鋳鋼部品に「ダイレクト浸炭」が採用されています。 従来のクロマイジング処理より低温で硬化層を得られることから、特に低歪みの製品精度が評価され「ダイレクト浸炭」が採用されました。
ノズル内部細孔へのダイレクト浸炭
こちらは、産業機器用ノズルへの浸炭事例です。 産業機器メーカー様より、「ガス浸炭を行っているのですが、どうしてもノズル内部など細孔の場合は、内側に進むにつれて浸炭層が薄くなってしまいます。ノズル内部にも均一な浸炭をしたいのですが、良い方法は無いでしょうか」ということで、熱処理技術ナビにご相談いただきました。 そこで熱処理技術ナビでは、独自の熱処理技術である「ダイレクト浸炭」によって、ノズル内部や細孔部分に対しても、部品外部と同等の浸炭層を形成することができました。
ダイレクト浸炭については、下記動画でも解説しておりますでので、是非こちらを合わせてご覧ください!
このダイレクト浸炭の結果、ノズルの品質向上・長寿命化につながり、お客様から感謝のお声を頂くことができました。 熱処理技術ナビの「ダイレクト浸炭」では、アセチレンの反応性とパルス浸炭による細孔内部のガス交換により、部品全周に対して均一な浸炭を実現することができます。また当社は、ただ熱処理をするだけでなく、お客様のお困りごとを丁寧にお伺いした上で、課題を解決する熱処理方法を、使用するガスや制御機構段階からご提案いたします。
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浸炭焼入れの技術相談については、「熱処理技術ナビ」にご相談ください。ご不明点や用途などお客様のご要望を考慮して、最適な技術提案をさせていただきます。
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日本テクノが提供する熱処理加工や熱処理工場は、火がありません。当社のガス浸炭では火を使用しないため、天井には煤がなく、熱処理工場とは思えないくらい清潔感がある工場を維持することができます。
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熱処理技術ナビでは下記のサービスを展開しております。
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Q.ダイレクト浸炭では、どれくらいの深さまで浸炭焼入れできますか?
◇ 熱処理・炉のことでお困りの際は、熱処理技術ナビにお任せください!
熱処理・炉のことでお困りの際は、熱処理技術ナビにお気軽にご相談ください!
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