「ダイレクト浸炭」とはどのような意味の呼称ですか?真空浸炭との違いは何ですか?
ダイレクト浸炭とは、アセチレンガス(C₂H₂)が鋼材の表面で直接分解し、炭素を鋼材にダイレクトに供給する浸炭方式の特徴を表した呼称です。
従来のガス浸炭(RXガス浸炭)は、炉内の空間でCOガスが分解し、炭素を間接的に供給します。それに対してアセチレンを用いた浸炭は、炭素の供給源(C)が炉内空間ではなく鋼材表面で直接分解されるという反応の違いがあります。この「ダイレクト(直接)に炭素が鋼材表面へ届く」特性を端的に表したのがダイレクト浸炭という表現です。
なお、ダイレクト浸炭は真空・常圧を問わず、アセチレンガスを使用した浸炭処理全般に適用できる呼称です。常圧スマート浸炭®(常圧アセチレン浸炭)も、真空浸炭も、アセチレンを使用する限りどちらも「ダイレクト浸炭」と表現することができます。
関連するよくある質問
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現在RXガス浸炭炉を使用しています。常圧スマート浸炭®へ切り替えることはできますか?
はい、対応可能な場合があります。日本テクノでは出張デモ改造サービスをご提供しており、現在お使いのガス浸炭炉(RXガス浸炭炉)を、常圧アセチレン浸炭(常圧スマート浸炭®)対応へ改造する出張対応を行っております。約半日のデモ施工で、フレイムカーテンのない「火の出ない浸炭処理」をご体験いただけます。
まずはお問い合わせ・ご相談ください。現状の設備状況をヒアリングしたうえで、最適な移行プランをご提案いたします。
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「常圧アセチレン浸炭」と「常圧スマート浸炭」は何が違いますか?
実質的な処理内容はほぼ同じです。「常圧アセチレン浸炭」は技術内容を説明するための一般的な呼称であり、「真空ではなく常圧でのアセチレンガスを用いた浸炭」を略した表現です。
現状、一般的なガス浸炭(RXガス浸炭)に対して、アセチレンガスを使用した常圧での浸炭を
どのように区別して表現するかを考えた際、真空浸炭に対応して「常圧浸炭」という呼び方にしても
アセチレンを連想出来る呼称ではないので、「真空ではなく常圧でのアセチレンガス浸炭」を略して
「常圧アセチレン浸炭」と使用されています。一方、「常圧スマート浸炭®」はその技術を登録商標として正式に名称化したものです。
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「常圧スマート浸炭」とはどのような浸炭処理ですか?
常圧スマート浸炭®は、高圧ガス工業株式会社と株式会社日本テクノが共同で登録した商標名です。アセチレンガスを使用した常圧でのアセチレン浸炭(常圧アセチレン浸炭)を指す技術に与えられた登録商標であり、Rマーク付きの正式名称となります。
従来の一般的なガス浸炭とは異なり、火炎を必要とせず、CO₂の発生を大幅に抑えられる環境負荷の低い浸炭処理です。脱炭素・カーボンニュートラルへの対応を検討されている企業様からも注目をいただいています。
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スマート浸炭を運用する上でのデメリットや注意点はありますか?
常圧スマート浸炭を運用する上での注意点として、従来のガス浸炭と同じ「浸炭深さ」や「図面の指定」をそのまま適用しようとすると、熱処理ひずみが発生しやすくなる点が挙げられます。
本技術は炭素の供給効率が非常に高いため、従来通りの処理時間では浸炭が深くなりすぎ、製品に対してオーバースペックとなる可能性が高いです。そのため、製品が本来求める機能に合わせて、最適な処理時間と深さの条件を再設定することが重要となります。また、アセチレンガスを使用しますが、爆発限界以下の低濃度で自動制御するため、火災などの危険性はございませんのでご安心ください。
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スマート浸炭において、既存の浸炭窒化技術との違いを教えてください。
常圧スマート浸炭と既存の浸炭窒化技術の最大の違いは、使用するガスと二酸化炭素排出量にあります。既存のガス浸炭窒化では変成炉を用いて生成したガスにアンモニアを添加して処理を行うため、多量の二酸化炭素が排出されます。一方、スマート浸炭はアセチレンガスと窒素ガスを直接供給するため変成炉が不要となり、二酸化炭素の直接排出を大幅に削減できます。
また、フレームカーテンを用いない「火のない熱処理」により安全性が向上し、粒界酸化や熱処理ひずみも抑制できる点が特徴です。実際に、自動車の歯車部品において、従来のガス雰囲気浸炭炉による熱処理を常圧スマート浸炭に置き換え、同等の品質を維持したまま製造プロセスの脱炭素化を実証した開発事例がございます。
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既存の滴注式ガス浸炭設備はスマート浸炭へ転用可能ですか?
はい、既存の滴注式ガス浸炭設備から常圧スマート浸炭への転用は可能です。
既存の炉を活用して常圧スマート浸炭モジュールを追加することで、新規で熱処理設備を導入する場合と比較して約3分の1のコストで、二酸化炭素排出量を大幅に削減する「火のない熱処理」を実現できます。事前に当社の専用センターにてサンプルを用いた実証実験を行い、品質に問題がないことを確認した上で改造を実施いたします。実際に、自動車の歯車部品において、従来のガス雰囲気浸炭炉から常圧スマート浸炭への置き換えに向けた試作開発を行った事例がございます。製品の品質は従来と同等を維持しつつ、製造プロセスの脱炭素化を実証し、既存炉の改造を含めた量産化を目指して開発を進めております。
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常圧スマート浸炭の試験で対応可能な熱処理条件や試験片のサイズはどのような範囲ですか?
常圧スマート浸炭の試験では、一般的なガス浸炭に相当する条件から、低ひずみに特化した当社独自の熱処理条件まで、製品の課題に合わせて幅広く対応可能です。
従来のガス浸炭で課題となっていた粒界酸化や熱処理ひずみを大幅に抑制できる点が本技術の大きな特徴であり、これらの問題の解決が可能です。対応可能な試験片のサイズにつきましても、ネジ1個のような小径部品から、最大外径φ600mmの大型部品まで柔軟に承っております。さらに日本テクノでは、専用の熱処理試作センターを完備しており、単なる試験にとどまらず最適な熱処理レシピの構築から、将来的な既存炉の改造や量産設備への移行までをワンストップでサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
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メタノールとプロパンを雰囲気として利用している炉について、常圧スマート浸炭に改良は出来ますでしょうか?
改造可能です。 そのような雰囲気炉の場合でも問題なく改良できます。
改良の実施までのプロセスを解説しますと、まず品質の確認のためのサンプル品の実証実験を弊社の常圧スマート浸炭炉で行います。
その後、御社設備にて実証実験を行い、 問題なければ、御社の炉の改造の実施に至ります。
炉を購入する際に比べて改造であれば、コストはおよそ1/3で収めることができます。 大まかなスケジュールとしては、まずサンプル貰って弊社で実証実験しレポート報告を行うのに、およそ2週間。その後の御社の設備での実験自体は1日で可能ですが、1か月内くらいで日程調整しますので、1カ月リードタイムを見ていただけますと幸いです。
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常圧スマート浸炭の改造について、おおよそのスケジュールを教えてください。
常圧スマート浸炭の改造の流れとしては、基本的に下記になります。
- ①御社にお伺いして現場確認
- ②仕様の検討(試作・改造のスケジュール)
- ③弊社保有の常圧スマート浸炭炉にて試作
- ④試作評価
- ⑤ポータブルの制御システムを既存設備に搭載してテスト
- ⑥弊社内の試作と同等内容かを確認
- ⑦炉メーカー様のシステム連携確認、リスクアセスメント、日本テクノがサプライヤーに
- ⑧改造
- ⑨量産化
おおよそ上記のようなスケジュールになるため、⑧の改造に至るまで、最短で半年にて対応しております。ただし、熱処理工程がエンドユーザー様等のサプライチェーンに影響がある場合など、お客様のご状況、ご要望によっては、スケジュールの前後が発生する場合がございます。お客様に合わせて柔軟に調整させていただきます。
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常圧スマート浸炭を検討したいのですが、まずはサンプルを御社で熱処理していただけますか?
はい、単品からでもサンプル品の常圧スマート浸炭の試作対応いたします。
サンプル試作の常圧スマート浸炭にて、既存の浸炭焼入れと比較検証を行い、問題なければ①既存の浸炭炉の改造、または②そのまま日本テクノに浸炭処理をご依頼いただく、という流れで対応いたします。
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ダイレクト浸炭では、従来の浸炭処理と比較して硬度は高くなりますか?
基本的には、従来浸炭と硬度は同じです。ただし、ダイレクト浸炭は酸化性のガスを含まないため、部品表面に粒界酸化(強度が低い組織)が発生せず品質は安定します。
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ダイレクト浸炭では、どれくらいの深さまで浸炭焼入れできますか?
従来の雰囲気浸炭と同様の深さまで可能です。0.2~3mmです。時間を掛ければ更に深く対応することは可能です。
